立つ姿勢-正しい立ち方で健康維持
人は意識しないで立つと体の歪みに合わせた立ち方をしています。 元気があるうちはそれでも正しい姿勢を保つことができますが、疲れてくると筋力で姿勢を保ちにくくなるのでさらに歪みんだ立ち方をしてしまいます。 歪みが強調される立ち方になりますので、一部の関節や筋肉の負担が増え、それが肩こりや腰痛、膝の痛みなどに結びつくことがあります。
良い立ち方
良い立ち方というのは、まず前後の方向から見て左右対称である立ち方です。
左右の方向から見ると耳の穴、首の中心、肩の中心、肘の中心、大腿骨大転子の中心、膝の中心、くるぶしが地面に対して垂直な直線状に並ぶ姿勢です。
(注)図の右腕は、見やすくするために前方に曲げています。
脊柱はこのとき、生理的湾曲と呼ぶ緩やかなS字を描きます。
首と腰は前方に凸、背中は後方に凸の曲線となるのが理想です。
またこのとき、骨盤は仙骨底と呼ばれる仙骨が腰椎5番と椎間板をはさんで接する面が、水平面に対して30度程度の角度を成しているのが良い状態です。
もし骨盤が水平面と成す角度がこれより小さい場合、骨盤の前方は上を向く状態に近くなります。
こうなってしまいますと、腰と背は後方に凸、首だけが突き出た形になってしまい、この姿勢が長く続くと腰痛を初め肩こりも起こしやすくなります。
良い姿勢を簡単に知る方法は、壁に背中を当てて立ってみることです。 後頭部、背中(の一部)、お尻、踵が壁に付くようにして立ちます。
悪い立ち方
前後のバランスを崩して立つと見た目にもだらしなくなるだけでなく、肩こりや腰痛など健康的にも問題を生じることがあります。
また、立つ時間が長くなってくると、前後のバランスを維持していても左右のバランスを崩している人をよく見かけます。
この状態は前後のバランスを崩すよりはまだ良いのですが、体重が左右どちらかに偏るため骨盤に負担が掛かります。
またそれに伴い背骨も左右に歪むことにもなりますので、なるべく避けたい立ち方です。
長時間立っていなければならないときは、体重を乗せる脚を左右で交代してください。
しかしそれでも悪い姿勢であるという認識だけは持っていたいものです。