症状-姿勢と腰痛の関係

姿勢による腰痛の原因は、大きく分けて3つあります。

座っている姿勢

まず最も重要な第一の要素は座っている姿勢です。 正しい座り方は、立っている時に形作られる脊柱の湾曲を維持しながら座る体勢です。 正常な湾曲が減少したり逆に過度に湾曲している姿勢は、周囲の靭帯を限界までストレッチして、最終的に痛みを伴います。 つまり痛みを引き起こす座り方は、悪い姿勢と言えるでしょう。

多くの人は悪い座り方によって、他の日常生活での問題が無くても腰痛を引き起こします。 飛行機、車、椅子に1時間程座った後で、急に腰を伸ばして歩けないほどの痛みに襲われるというのは、珍しいことではありません。 これは普段から健康であると自覚している人でも起こりますので、日常的に腰だけでなく体のどこかに違和感を感じている人にはなおさらです。

また腰痛に苦しむ人達が悪い座り方を長く続けると、多くは症状が悪化したり常に痛みが持続する原因となります。 特に座っているで症状が悪化したり、立ち上がるときに痛みが起こると訴える殆どの人は、座り方に問題があります。

人は特に姿勢を意識しないで椅子に座ると、誰もが腰が丸くなって曲がって行きます。 この姿勢は背中・腰の筋肉がリラックスしているので、体重による体の負担は靭帯が支えることになります。 時間の長さに関わらずこのリラックスした座り方でいると、腰は完全に引き伸ばされた体勢になります。 この体勢が長く続けば、これがきっかけとなり腰痛がおきます。

指を曲げた痛みの発生実験 この腰が伸ばされた姿勢で座り続けると痛むという体験は、手足のどの関節でも同じ体験をすることが出来ます。 手関節、足関節、膝関節、肩関節でも完全に伸ばした状態を保つと、最終的に痛みを引き起こします。 実際に試すと、誰でも過度な緊張から逃れようと、無意識のうちに引き伸ばされた体勢から開放される方向に動かすはずです。 腰も座っていると効果的とは言えませんが、無意識に同じ事を行っています。 疼みが生じると座る体勢を僅かに変えて、完全に引き伸ばされている姿勢を変えているのです。

座った姿勢で起こる腰痛は、環境の問題が大きく関連しています。 家庭用に設計された人間工学的に合わない椅子、 外見ばかり重点が置かれた椅子、 電車やバスなど公共交通機関に備えられた椅子などは、理想的な姿勢で座れるように設計されているとは思えません。 家具の設計は正しい姿勢を維持できる椅子を基本的な目的とし、もう一度デザインを考えて欲しいものです。 腰に負担がかかるような椅子が多く存在する限り、腰痛に悩む人が減っていくことは期待が持てないと言っても過言ではないでしょう。 ですから、椅子に合わせた間違った座り方をしないように、体に負担をかけない正しい座り方を覚えることが重要です。

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